私の想い


「異業種からケアの道へ」

Q:身体をケアするお仕事をされたきっかけを教えてください。

岩尾:私は昔、偏頭痛がひどく、膝の手術を3回もしましたが、術後も浮腫み(むくみ)が取れずに悩んでおり、症状を改善するために行ったケアがリンパでした。リンパによる自己ケアをしているうちに、あれだけひどかった偏頭痛や浮腫みが治まり、よりリンパの知識を深めたいということから、リンパドレナージュの資格を取得しました。身体の不調は自己ケアで改善できることに魅了され、それまでは、電話オペレーターや接客業という職業をやってきましたが、40歳でまったくの異業種であるエステティシャンの道を歩み始めました。


「自分の手に自由を与えたかった」

Q:独立された理由を教えてください。

岩尾:エステティシャンとして、徐々に私なりのケアの手法が身に付いてきましたが、サロンでの施術はマニュアルがあり、お客さまにこうしてあげたいという思いがあっても、コース外の施術はできずに、フラストレーションが溜まっていました。また、ほとんどのサロンで行うリンパドレナージュはギューっと押し流すため痛みを伴いますが、私は、「揉まない、叩かない、痛くない」施術を心掛けており、もっとお客さまの気持ちに寄り添った施術をしたいと思うようになりました。もっと自分の手に自由を与えて施術をしたいという気持ちが強くなっていたころ、母の調子が悪くなり、大村で働かなければならない状況が訪れたことを機に、独立を決め、「出張ケア癒しサロン“n”」を立ち上げました。


「コミュニケーションを取ることが重要」

Q:日々、どのようなことを思い、仕事をしていますか?

岩尾:心と身体は繋がっているので、いかに、自分に身体を預けてくださるかを大切にしています。緊張したまま施術すると、ほぐれるまでに時間がかかりますので、いきなり施術はせず、まずは緊張をほぐすために、ときには、おばちゃんギャグを言いながら、お客さまとコミュニケーションを取ることに専念しています。不安なままだと施術の効果も変わってきますので、何よりもまず、お客さまの気持ちをほぐすためにコミュニケーションを取ることを大切にしています。


「お客さまの身体が変わっていくことが喜び」

Q:お仕事をしていて嬉しいことはありますか?

岩尾:私の施術は、その場で体感していただくことを大切にしています。ほとんどのサロンでは、施術中に声をかけることは少なく、施術後に「気持ち良かったですか?」と言うだけですが、私は施術中の身体の変化について、その都度お声かけします。私の手の感覚とお客さまの身体の感覚が同じなので、筋肉が緩む瞬間をお伝えすると、ワーっ!そこそこ!と気持ちいい声をあげたり、身体の変化に気付くプロセスを感じていただけます。そして、私は自分自身のことをメンテナンス要員だと思っていて、お客さまが自宅でもできる自己ケアの方法もお伝えしているため、しばらく経って、お客さまとお会いすると、自己ケアによって、姿勢が良くなっていたり、肩甲骨が開くようになっていたり、会うたびに身体が良い方向に変わっていく姿を見られることが仕事のやりがいです。


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